映画「マスカレードホテル」を見てきました。予告編を交えたあらすじを確認すると共に、感想をなるべくネタバレなしで共有したいと思います。殺人予告というシリアスでありながら、グロさはなく子供でも楽しめるかもしれない「マスカレードホテル」の感想を共有します!
Contents
映画『マスカレードホテル』のキャスト
- 新田浩介⇒木村拓哉
- 山岸尚美⇒長澤まさみ
- 刑事:稲垣⇒渡部篤郎
- 刑事:能勢⇒小日向文世
- 刑事:尾崎⇒篠井英介
- 刑事:本宮⇒梶原善
- 刑事:関根⇒泉澤祐希
- ホテルマン:川本⇒石川恋
- ホテルマン:久我⇒東根作寿英
- ホテルマン:田倉⇒鶴見辰吾
- ホテルマン:藤木⇒石橋凌
あらすじ
不可解な連続殺人事件、容疑者やターゲットが不明な中、超一流ホテルが殺人予告されました。
破天荒だが、人を見抜く天才刑事「新田浩介(木村拓哉)」と超真面目なホテルマン「山岸尚美(長澤まさみ)」が殺人犯の仮面を被ったお客をホテルの場で見破るストーリーです。
見どころ
原作は小説家として売れっ子の東野圭吾が原作の話です。東野圭吾のミステリーと言えば、奇想天外なトリックや幾重にも入り組んだ動機や罠が混在するので、映画で面白く表現できるかが個人的な見どころです。
また、東野圭吾本人の映画へのメッセージとして、小説連載中に「新田浩介」役は、木村拓哉を漠然と思い浮かべていたそうです。
小説の連載中、新田を描く際に漠然と思い浮かべていたのが、まさに木村さんだったからです。
引用元:マスカレードホテル公式HP「東野圭吾のメッセージ」より
東野圭吾が思い浮かべる主人公のイメージ像が木村拓哉だったということは、実際にどれだけ新田演じる木村拓哉がはまり役なのかも見どころです。

映画『マスカレードホテル』の感想

時間を感じさせず、次回作品を期待せずにはいられないほどの面白さでした。実力派の俳優陣の演技が上手く、役もはまっているので映画の世界に溶け込むことが出来ます。
また、殺人予告をした犯人が誰なのかを推理する面白さと、ホテルマンと刑事の対立構造の変化などが、複雑でありながらダイナミックに相乗効果を発揮してストーリーが進んでいきます。きっと、時間があっという間に感じられるのは私だけでは無いはずです。
殺人予告をした犯人は誰なのか
ホテルを舞台に殺人予告をされたので、誰が犯人なのかという推理をするのも映画の見所です。映画を見ていくと犯人は誰なのかと、ハラハラさせられます。
そして気付くのは、必ずしも宿泊客には限らないということです。その伏線を巧みに操るミステリアスな東野圭吾らしさを映画でしっかり表現できていることに賞賛します。
犯行手順ばかりにフォーカスしないこと
少し、ヒントをお伝えすればヒントは確かに散らばっていますが、犯行手順ばかりにフォーカスしないことです。犯行手順は手段に過ぎず目的では無いのです。それを踏まえて、誰が犯人なのかを推理しながら見ると面白いでしょう!
ホテルマンと刑事の対立構造の変化
お客様を第一に考えるホテルマンと誰であれお客様を疑う刑事は、水と油のように相容れない存在です。全く正反対の方向を向く両者ですが、危害をくわえさせない所では一致をしています。相容れないように見える両者の対立構造がどこまでうまくいくのかというところも、現実的(リアル)に表現できているのが、物語を引き立たせます。
プライドを持って仕事をしている両者がぶつかり合うのは、不思議では無いように思えます。不自然ではなく、表現できている本作は、本を忠実ではありながら映像で昇華させたものではなかったかと評価したいと思います。
推理をすればするほど東野圭吾マジックにかかる
ミステリー映画であれば、その物語の途中で謎を解きたくなるものですが、推理をすればするほど複雑に入り組んだ東野圭吾トラップにハマり、犯人がわからなくなるのが心地よくなってきてしまいます。
果たして映画はどんな終わりを迎えるのか、ワクワクしてきてしまうほどです。
もはやキムタクと言うのは失礼
やはり主演の木村拓哉さんといえば、国民的スターでキムタクです。ただ、個人的には何でもかんでもキムタクとはいえないのでは無いかと言えるほど、今回は当たり役だったのでは無いでしょうか。
今までのアイドル付いて回る、変なイメージもなく、演じている本作の木村拓哉さんは、キムタクと呼ぶには相応しくないように感じます。今の木村さんの年齢と経験だからこそ、本作の新田浩介を演じきれたのではないかと映画を見て感じました。
ホテルで仮面をかぶるのはお客様だけではないことを教えてくれる映画

ホテルという場所では、様々なお客様が宿泊します。そして、宿泊客には様々なドラマがあり、映画では仮面を被っていることをトピックスにあげています。
ただ、仮面を被っているのは宿泊客だけではありません。そこで働いているホテルマンも時には本心を隠してお客様をもてなすこともあります。(そこの葛藤も描かれているのは、本作の楽しみのもう一つです。)
ほんの少し視点を変えれば、誰しもが仮面を被っているのではないかと、映画を見て感じました。
殺人がテーマの一つではあるがグロさはない
本作はホテルが殺人予告の舞台となったことではあるが、決して殺人に関するトピックスは後味悪くありません。グロさは一切ありませんでした。(それでもエンディング向けた犯人判明時の話で、しっかりと濁りを出す演技ができる犯人の演技は関心するものです。)
エンディングの迎え方は鈴木雅之監督らしさを発揮
エンディングは必ずしも暗いものではありません。むしろ鈴木雅之監督らしさを十分に発揮されているように感じます。映画を見て想起したのは、20年以上前に放送された「王様のレストラン」です。
物語がエンディングを迎える中で、木村拓哉さんと長澤まさみさんの恋は始まるのかどうかと期待し始めることになります。少しネタバレの話ではありますが、王様のレストランの印象的なナレーションを引用すれば「それはまた別の話」ということです。次回作に期待をしたいものです!
さぁ映画を観よう!